2014/1/12 府県決勝ファイナル 龍野FC対FC TIAMO

龍野 1-0(0-0) ティアモ

 

準決勝を見た時点でこの試合のポイントは如何に両チームが相手の得意な形を抑えるかだった。

 

龍野の形はサイドへ開いてからの攻撃が基本の形。ティアモのDFラインは左サイドの池松が攻撃の起点となるために上がるため、それを埋めるべくDFラインがスライドして対応する。そこで生じるサイドのスペースを龍野は突いて得意の形でチャンスを作るが、ティアモは中央でサイズのあるCBが構えることで決定的な仕事はさせない。

対してティアモはポストで森本に預けて左へ展開する攻めと、中央突破のドリブルが有効な形。龍野はGK竹内が前に出るタイプだということもあってDFラインは元々高めに張る傾向にある。このラインがドリブルや縦の一発で突破された時致命傷になるのではという不安はあった。しかし、龍野はティアモの選手があまりプレスのかからない状況で前を向くと早めにラインを下げ、抜かれてもGKが詰めればスペースが作れないように待つ守備を展開。そうなると遠目のミドルをティアモは狙うのだが、これは精度が悪く有効には働かない。

見事に両チームとも守備の思惑は嵌まった。しかし、それは裏を返せば攻撃は膠着してしまうことを意味する。そしてその膠着は終盤まで打開策が見えないまま続いていた。

 

そして最後は一発で決めようと両チーム縦へシンプルに放り込む。えてしてこういう時は一発のミスが勝負を決めるもの。そしてそのミスはティアモの方に出た。龍野DFラインからのロングボールをティアモの中盤がクリアミスして後方へ。そのボールは裏に抜けるべく走っていた龍野FWにわたり、一度はGKが弾くも最後は諦めずに詰めていた溝田が落ち着いて押し込みこれが決勝点。

勿論これを偶然と見ることも出来るが、敢えてミスがティアモの側に出た理由を考えてみると、最初から中央からの攻めを見せていたため龍野は最後の放り込み合戦になってもその対処に慣れていたこと、そしてティアモはサイドから中央へ守り方が変わったことで多少対応が中途半端になったこと、これが原因なのではと考える。

 

内容はほぼ互角。だが、細かい差が最後は1点、いや、昇格と入れ替え戦回りという大きな差になって現れる。サッカーの恐ろしさと難しさを実感する試合であった。