2014/5/4 奈良県選手権社会人予選 奈良クラブ対アスペガスFC

奈良C2-0(0-0)アスペガス(@奈良県フットボールセンター)

 

前半から奈良Cペースで試合は進む。奈良CはDFがしっかり守り、中盤の濱岡からサイドへ展開し深く入る形で攻め、セットプレーを含め何度もチャンスを作る。アスペガスは中盤で出される前に早めに潰してカウンターで攻める形を作り、時折良い形は見せるも決定的な場面を作るには至らない。とはいえ、奈良Cもサイドを突いてからの崩す工夫に欠け中央を締めて守るアスペガスのゴールを割れないまま試合は後半へ。

 

我慢を重ねてきたアスペガスDF陣だったが、疲労から明らかに集中を欠く様子が見られてきた後半、均衡を破ったのはセットプレーからの橋垣戸のヘッド。GKの前に奈良Cの選手が3人なだれ込んできていた所をアスペガスは誰も捕まえられていなかった。なんとか1点を返そうと最後の気力を振り絞り前に出たアスペガスだったが、逆にDFラインがボールを奪われ追加点を奪われ勝負あり。最終的には2-0で奈良Cが押し切った。

 

奈良Cはリーグ戦とはかなり違うメンバーで臨んでいたことを考えると、ある意味これが本来の力とは言えないのだろうが、DFがしっかり守りサイドの深い所で勝負するというところを徹底しリスクの少ないサッカーで押し切ったというところか。

 

また、この試合で目立ったのは主審のファウルに対する見逃しが酷く、技術で劣るアスペガスがラフにいってしまったこともあって、かなり奈良C側が判定に対してベンチも含めエキサイトする場面が見られた。そこで気持ち的にナーバスになったのも結果的にスコアが拮抗した一因になったのかもしれない。なかなか出場機会の無いメンバーの底上げが出来たという収穫と勝利という結果を得られれば十分とも言えるのだろう。

 

アスペガスは県1部であればもう少しサイドバックが上がったり前線が厚みを持って攻めることが出来たのであろうが、奈良C守備陣の前にそこまでを求めるのは難しく、なかなか突破口が見出せなかった。とはいえ、後半途中までしっかりと守り切った守備と時折見られた鋭い攻撃は今年も県リーグを引っ張る可能性は感じさせた。

 

最後にこぼれ話を一つ。この日奈良Cは先週のリーグ戦で退場した野本が出場していたのだが、これは昨年までのルールだとこの日は出場停止となり停止処分を消化してたことになる。試合中フォロワーさんから情報をいただいたのだが、今年から協会の懲罰規定が改正され(それに伴い関西リーグの懲罰規定も改正されています。)出場停止処分についての消化は処分を受けた当該の大会が対象となったのである。実際、過去にもリーグ戦の出場停止を天皇杯予選で消化するパターンは何度か見かけていたのだが、この改正はある意味シンプルな形になったことで良かったのではと感じている。

 

なお、リーグ終了後に貯まっていた出場停止は直近の次の公式大会に持ち越しとなるらしいので、リーグ戦最後で貰った出場停止は全社や地決、リーグカップなどに影響するので注意が必要らしい。自分も今回の件で初めて読んだのだが、詳しくは日本サッカー協会懲罰規程に記載されているので気になる方は是非ご一読を。