2014/5/18 関西サッカーリーグ第5節 関大FC2008対奈良クラブ

奈良C1-0(0-0)関大(@鶴見緑地球技場

 

立ち上がりから攻勢に出るのは奈良C。関大DFラインの統率が全く取られていない状況下において、高い位置でボールを奪い、サイドからクロスを何度も放り込みチャンスを作る。そして前半14分、奈良Cは右サイド野本からのアーリークロスを関大DFが被ると、ファーサイドで待つ瀬里が受け、コースを消しに来た関大GK大澤の股を抜いてゴールへ叩き込み先制。その後もサイドからクロスを入れチャンスを作る奈良Cに対し、関大は前線の池内、清永の縦突破で奈良の守備陣を切り裂きに行く。しかし、両チームともフィニッシュまで辿り着くことなく1-0で前半を折り返し。

 

後半に入っても奈良Cがサイドから攻め、関大が早い縦の突破でカウンターを狙う展開が続くが、徐々に関大の縦のボールが上手く繋がるようになってくる。しかし、奈良はCB三浦を中心に中央の守備を崩すことなく完封。1-0で逃げ切った。

 

奈良Cは関大DF陣のばたつきに対し前から追い込む守備が上手く嵌まった。前で奪いサイドから作る形が現状では攻撃の軸と言えるのだろう。また、ボランチの優先順位が展開よりもブロックを確実に作り守ることに力点が置かれているようにも見られた。そのためか中央で捌くよりも両サイド間の大きなサイドチェンジが増えたように感じる。これを高い位置で行い、相手DFを振り回してチャンスを作るのが理想型なのかもしれない。ただ、現状としては先述の通り攻撃はサイドから形を作り、守備は中央を固めることと前線の追い込みの併用で押さえ込む形で結果を出しながら、チームの構築を進めている段階というところだろうか。

 

関大は良くも悪くも個の力に頼り過ぎた印象。良い部分は前線が見せた思い切りの良い縦突破。悪い部分は連携を欠いた守備陣。また、気温が上がったこの日の気候であればもう少し運動量で圧倒する事があるかと思われたが、期待されたほど出足を制することも無く終わってしまった。学生特有の運動量勝負にも持ち込めないとなると、今後のリーグ戦でどう戦うのか。1部残留に向け突きつけられた課題を解決するための時間は多く残されてはいない。