2014/11/22 地域リーグ決勝大会決勝ラウンド サウルコス福井対クラブ・ドラゴンズ

クラドラ1-1(PK5-3)福井(@ゼットエーオリプリスタジアム

立ち上がり早々からいきなり点の取り合いとなったこの試合、まずクラドラが2分、テンポの良いパス回しから中央裏に抜け出したボランチ守田へスルーパスが通り、これを守田がワンタッチで流し込み先制する。福井も左CKから松永が押し込みすぐさま同点へ追いつく。序盤はクラドラがショートパスとドリブルを駆使し縦に速い攻めで福井ゴールに迫る。福井はこのテンポについていけない場面が見られたが、徐々に慣れてくるとフォアリベロような形で中央に構える梅井を中心とした守備陣が対応できるようになる。そして一旦サイドへ入れてからサイドバックを上がらせ厚みを加え崩しを狙う。しかし両チームとも追加点は奪えず、前半は1ー1で終了。

後半に入ると主導権は福井に。クラドラの攻めを出足良く受け止め高い位置で奪い、ショートカウンターで一気にゴール前に迫ろうとする。しかし、クラドラの攻めへの警戒から人数を攻めにかけられなかったことと、攻めがどうしても外を経由するので時間がかかり、クラドラの早い戻りが間に合ってしまうことから数的優位を築くことが出来ず、折角のカウンターが致命傷まで至らない。一方クラドラも中央から手数をかけず攻めようとするが、自陣からの強引なドリブルが福井の守備網に引っかかる場面も多く、なかなか自分達でボールを支配出来ない。このまま後半45分が過ぎ1ー1で終了。PK戦はクラドラが5人全員が決めたのに対し、福井は3人目が外してしまい、クラドラが勝ち点2を手にした。

外に広げる福井と内に絞るクラドラという対照的なチームによる戦いは、試合中の対応力の差で上回った福井の方が優位に進めたと感じている。立ち上がりは福井がクラドラの攻めについていけず失点を含めかなり苦しい戦いを強いられたが、そのスピードに慣れてからはクラドラの攻めを封じ込めた。特に突っかけてくるドリブルへの対応が素晴らしく、中盤で奪ってのカウンターに繋げることが出来た。しかし、肝心の攻撃が最後までサイドからの攻めに終始してしまったことにより得点に結びつかなったことも事実。

福井にとってサイドアタックは唯一にして最大の武器であり、威力も非常にあるのだが、ゴールへの距離が遠いというサイドアタック自体の持つ弱点がこの日は追加点を奪えなかった要因となってしまった。とはいえ、これ以上の攻めの幅は今日明日で広げられるものではない。あと2日、この攻めで貫き通すしかない戦いの行方はどういう結末に辿り着くのだろう。

クラドラの攻めはいかにも大学生らしい運動量とテクニックに裏打ちされた小気味良いものであった。しかし、なかなか点に繋がらないと強引に行ってカウンターを浴びる場面も多かった。高い位置で前を向いての場面でもう少し視野を広く持って攻める場面があっても良かったと思うが、この辺りは場数の差なのかなという思いもした。一方守備は切り替えの早さが最後まで落ちずに数的優位を与えなかったのは収穫。そして、学生の本領が発揮されるは2日目以降。それを迎える前に勝ち点2を奪えたことは他のチーム以上に大きな価値を持っているのではないだろうか。