アニメ完走戦 〜SHIROBAKO〜

無事最終話まで完走したアニメの感想戦。だからアニメ完走戦。1~3月クールはまず「SHIROBAKO」から。

 

 

振り返るとこの作品は一枚の布を織っていくような、そんな話だったと思う。「えくそだすっ」と「三女」の作品を作り上げるという縦糸と、主人公5人がそれぞれの夢のきっかけを掴むという横糸から成り立つ物語。最初はそれが絡むことすら感じられなかったのだが、「三女」の制作が進むにつれ少しずつその糸が絡んでいく。そして最後の一筋が織り上がったのが、あの23話のBパート。「三女」の完成への道筋が立った、そしてそれが最後の一人が「三女」に関わることという夢を掴むチャンスに繋がった。ラストシーンの宮森と坂木のやり取りを見て自然と涙が溢れたのは必然だったんだと思う。

 
もう一つ忘れてはならないことは、織り上がったを色彩豊かに彩った数多くの登場人物の存在。最終回の集合写真の誰一人として欠けても「三女」は出来上がらなかっただろうし、「SHIROBAKO」という作品も出来上がらなかっただろう。あれだけの人数がいながら、それぞれが持つ制作現場における役割とその個性はしっかりと表現されていた。それはアニメを作るという一つの目標の下共同作業で行われるという制作現場の特性を考慮に入れてもそう簡単なことではなかったはずだ。
 

正直序盤はアニメ制作現場というよりも、普通に社会人として身につまされる思いも抱かせる展開だった。それもあって視聴が止まりかけたが、そこを乗り越えてからの2クール目はほぼ止まることなく最後まで走りきった。勿論現実はこんな上手くいくなんてことは殆ど無い。そんなことは分かっている。だけどフィクションくらいは前を向かせて欲しい。そんな気持ちを満たしてくれる作品だった。

 
あ、あと最後に。ちなみに筆者は「三女」キャラデの井口さん派です。