2015/6/27 関西サッカーリーグ第10節 アルテリーヴォ和歌山対A.S.Laranja Kyoto

和歌山3-2(0-0)ラランジャ(@三木防災公園第2陸上競技場)

 

前半から和歌山はサイドに早めに入れてから中央で構える大西へボールを集める。これをラランジャはGK辰巳の好セーブなどで凌ぎ、機を見てテンポの良いパスワークからパウロソウザへ繋げようとする。決定機の数は和歌山の方が多く、完全に枠を捉えたミドルもあったがこれも辰巳の好守に阻まれ得点には至らない。前半はこのまま0-0で折り返し。

 

後半早々試合が動く。49分、中央を抜けたパウロソウザがきっちりゴールを決め押されていたラランジャが先制点を奪う。これで勢いが付いたかラランジャも攻勢に出る時間が増えてくる。ビハインドを背負った和歌山は59分にボランチの高瀬を下げ中山を投入。ここから攻めを外から内に絞り込み縦に抜け出す選手を増やしていく。これが奏功して67分、中央やや右を抜けた芝崎が辰巳まで交わしてから中央で待つ中山に渡して同点に追い付く。

 

更に70分、同じように中央やや右を今度は中山が縦に抜けてから今度は逆サイドにフリーで入ってきた山道が豪快に叩き込み一気に逆転する。80分には大西が3点目を奪い突き放す。ラランジャはそれでも最後まで粘りを見せ、83分には中尾の超ロングスローからファーに走り込んできた磯部が頭で合わせて1点差に迫るも反撃はそこまで。3-2で和歌山が逆転勝ちで8連勝を飾った。

 

和歌山はこれまでのカウンター主体から自分達でボールを支配出来る状況になってどういう攻めを見せるかが気になっていたのだが、シンプルにサイドに入れてから中央の大西で勝負する形が基本となっていた。ただ入れる前に細かいパスやドリブルを入れるあたりにらしさが見られたのも面白かった。ビハインドの場面で攻め方を変えて相手に対応される前に逆転した点は、引き出しが大西頼みだけで無いところを見せられた点も収穫と言えよう。

 

少し気になったのはチームの性質上どうしてもボールを奪う位置が低くなるところ。裏を返せば中盤での「出る」ディフェンスが余り見られなかった点。ボールは持てているものの中盤を支配し切れていない所が全国に出て戦える形になるかは少し気がかりではある。また大西があまりにも替えの効かないレベルの選手になっているだけに3日間×2を彼が耐えきれるのかも心配ではある。その点では前述の通り別の引き出しを出せたことは大きかったといえよう。

 

ラランジャは失点後一気に守備陣がトーンダウンしてしまった点が痛かった。確かに和歌山の攻め手の変化に対応しきれなかったこともあるが、以前のアミティエ戦同様失点後の切り替えに課題が残った。攻撃陣は当初の見立て以上の出来を見せているだけに、残留に向けてあと少しの守備陣の踏ん張りが望まれる。

 

また、試合展開とか全てを別にしてラランジャの2点目が誇張無しにワールドクラスのロングスローから奪った得点であったことは記しておきたい。これが映像に残らなかったのは本当に残念でならない。