2015/10/17 全国社会人サッカー選手権大会1回戦 札幌蹴球団対ヴェルフェたかはら那須

札幌1-0(0-0)那須(@滝沢総合運動公園陸上競技場)

 

立ち上がり札幌は慎重にシンプルなボールを前線に送る。対する那須も簡単にサイドに放り込んでからサイドの高い位置に基点を作り攻める。札幌は徐々に本来の形と思われるショートパスの繋ぎからFW黒田の縦への力強い突破を繰り返そうとするが、なかなかボールが前に進まない。那須は右サイドに開いた森本や前線で縦に走りこむ高秀などがシンプルに最後は捌いて好機を伺うもゴールが遠い。このまま前半は0-0で終了。

 

後半も那須がペースを掴むもライン際で札幌DFに跳ね返されるなどあと一歩の所でゴールが遠い。那須はシンプルにゴールに迫りたい気持ちがあるのかプレーエリアが徐々に中央に狭まってくる。ここで札幌も持ち前の細かいパスワークが活き始め、那須のプレッシャーをかわして前に出る場面が出てくるも攻撃は散発的なものに終始。そして延長がちらつき始めた75分、勝負を分けたのは一瞬のミス。それを見逃さなかった札幌のカウンター、最後は阿部が決めるとこれが決勝点。札幌が土壇場で決勝点を奪い、1-0で2回戦へ駒を進めた。

 

那須は関東のチームにしては珍しく3バックを採用。詳しい方の話では基本は現在の監督の方針らしいとの話もあるようだ。ゴール前シンプルにシュートを狙いに行く形で何度も惜しい形を作ったが、最後まで粘り強い札幌のDFを崩し切れなかった。前半逆サイドでフリーになっている選手までボールを回してDFを振り回したかった。また、後半中央にこだわり過ぎて、折角3バックを採用しサイドの1 枚を高く構えさせたのに有効に活用出来なかった点も悔やまれる。

 

札幌は本来の繋ぐサッカーだけでは全国で勝つのは難しいという判断からか、簡単に前へ放り込むプレーも織り交ぜて来た。繋いで高い位置で奪われショートカウンターに晒されるよりは、まず陣地を確保しようという試合の入り方は非常に上手く機能した。そして慣れてからは本来のサッカーを徐々に展開していったことで主導権も上手く握り返すことが出来た。ゴール前で決定的な仕事を出来る選手がほぼ黒田一人に限られている点は不安が残るが、この結果で先の全社、地決での闘い方に一つの良い指針が出来たのではないだろうか。その答えは明日以降分かることになるのだろう。