2016/6/12 東海サッカーリーグ第6節 ヴィアティン三重対FC岐阜SECOND

三重4-1(1-0)岐阜S(東員町スポーツ公園陸上競技場)
 
開始早々三重は右サイドの裏を抜け出し、最後はファーサイドでフリーになっていた加倉が決めてあっさりと先制点を奪う。岐阜もCFの藤沢、トップ下の井上を中心にサイドを繋ぎながら攻めるも三重は引き気味に守って最後のところは人数をかけゴールを割らせない。一方岐阜S守備陣も落ち着きを取り戻し、三重のFW藤牧、岩崎を抑えて追加点を与えない。スコアは三重、流れは岐阜Sといった形でそのまま1-0三重リードで前半終了。
 
後半に入り岐阜Sの方が良い形を作っていたが、65分、岐阜Sコーナーからのカウンターを藤牧が決めて三重に待望の追加点が入る。これで一気にトーンダウンしてしまった岐阜S、徐々に攻めに鋭さが失われていく。そしてCKからグァクが3点目、最後は藤牧のこの日2点目のゴールで4-0。岐阜SもロスタイムにPKを奪い、藤沢が冷静に決めて1点を返すも時既に遅し。4-1で三重が岐阜Sを下し優勝争いに踏みとどまった。
 
試合のポイントとしては三重の2点目。1-0で前半を終えたがペースはやや岐阜S、次の1点が試合の流れを決める状況での岐阜S側のCKを防いでのカウンターによる得点。と言葉で書くとこうなるのだが、この時の岐阜S牧野のCKとその後跳ね返りのクロスが悪印象。CKが続けての2本目だったのだが、相手DFが準備出来ていないうちにと思ったのか味方も準備出来ていないのにボールを蹴り込む、更に跳ね返りのクロスはペナルティエリアぎりぎりくらいのファーサイドで三重のDFだけが待ち構えていた所に入れてしまう。悪い言い方をすればこの失点はほぼ彼の責任。以前彼については良い選手だという評判を聞いていたのだが、現在彼がこのカテゴリにいる理由はワンプレーで理解出来てしまった。実際この1点で試合はほぼ決したという内容だっただけに本当に悔やまれる失点となった。
 
結果として1-4となったが岐阜Sのサッカー自体は点差ほどの悪さは感じなかった。CFの藤沢を軸にしつつも彼の周囲で動く選手がスルーパスを交えた細かいつなぎや勝負のドリブルを仕掛けていく攻撃は見応え十分ではあった。特にトップ下の井上はドリブルの突破力に優れる良い選手。後半少し消えたところを見てもスタミナ面での課題はあるが、東海でも屈指の選手になれそうなものを持っていると思われる。あとは面白い攻撃ではあったが難しい事を狙いすぎて上手くいかなかった部分があったのも事実。その緩急をつけられれば上位との差も詰まっていくのでは思われる。
 
三重はオーソドックスな2ラインの4-4-2で引き気味のゾーンディフェンスからFWの足元やサイドの裏にシンプルに縦を入れる形。前半はFWに当てる事の方が多かったが、後半に入ってサイドの裏を狙うボールが増えていたように感じた。最も印象に残った選手は左サイドの加倉。運動量を落とす事なく縦の上下動を繰り返し攻守に貢献、特に後半は完全に左サイドを支配していた。藤牧、岩崎の2トップも相応に力はあるし確かに東海では上位の力はあるが、現状「次」を見据えた場合にはボランチの出足とタイミング、DFラインのが振り回された時の逆サイドの守備が課題。特にボランチがゾーンで守る事に拘るあまり行くべきところで仕掛けられていないため、簡単に岐阜Sに繋がれる場面があった。この辺りを修正する事が先を考えた場合に必要となるだろう。