2014/3/16 JFL開幕戦 横河武蔵野FC対ヴァンラーレ八戸

横河 1-0(1-0) 八戸(@味の素フィールド西が丘

 
立ち上がり八戸は1トップの玉田に向けて縦のボールを入れて攻めの形を作ろうとする。横河はそれをしっかりと止め、サイドへ展開し攻めの機会を伺う。八戸は4バックの寄せが甘く、中央に入ってきたボールに対し上手く対処しきれず横河が攻勢の展開が続く。しかし、そこから徐々に八戸がサイドへ細かいつなぎを見せ、逆に横河はサイドが押し込まれ手詰まり気味になる。
 
この時、一緒に観戦させていただいた方から興味深い話が。それは、北東北のチームは雪の多い環境上雪上や室内での練習も多くなる。そのため、必然的に細かいパス回し、それもゴロではなく雪上で止まらない低くて早いパスを蹴るように蹴り方も変わってくる人が多くなるという話であった。
 
確かに試合開始当初の縦へのボールにしても、上背のある玉田に対して何故かグラウンダーのボールが多かった。その根底には八戸のサッカーの形があったということなのだろう。ともあれ、この独特なテンポのパス回しに横河DFは時折数的に余裕の無い状況でゴール前にボールを入れられる場面も見られるようになった。
 
しかし、八戸のスタイルは弱点もまた明確に見て取れた。ハイボールへの対応、特にGK、DFの距離感が非常に危なっかしい。横河の先制点はその弱点が見事に露呈した形となった。ハイボールのクロスに対応し切れない八戸DFが横河FWと競り合う所に
八戸GKが不用意に飛び出しこぼれたボールを横河の小城が押し込む。
 
横河とすれば手詰まりの中プレゼントされた1点。しかし、この1点を価値の高い1点にしてしまうのが横河の真骨頂。ここから3バックが無理をせず中央をしっかり固め、
サイドへの縦のボールから陣地を回復し時間を使わせる。八戸は何度もパスを回してこの横河の守備を崩そうと試みるも、最後の局面でのアイデアに乏しく単調な攻撃に終始し、最後までゴールを奪うことが出来ないままタイムアップとなった。
 
八戸は昇格して初戦という状況の中では、思っていた以上に自分達のサッカーを見せられた。しかし、フィニッシュのアイデアの不足、DFとGKのハイボール対応と連携などJFLで戦う上においての課題もはっきりと見えた試合であった。しばらくは結果が出ない戦いが続くかもしれないが、あの独特のスタイルは魅力的なのでそこは見失わないで欲しいと思う。
 
横河は試合運びにおいて非常にらしさが見られたという印象が強い。相手のミスを確実に突き、そこから上手く試合をコントロールしてきっちり勝ち点3を奪う。昨年見た3バックもオーバーラップを仕掛ける動きのあるサッカーはそこまで見られなかったものの、前線のメンバーが入れ替わった事も考えればまだこれからというところなのだろう。そこも考慮に入れれば必要十分の結果だったというところだろうか。