2014/3/21 東京カップ二次戦 1回戦 エリースFC東京対FCフエンテ東久留米

東久留米1-0(0-0)エリース(@駒沢公園補助グラウンド)

 

しっかりと守りを固めてから攻めるスタイルを指向する両チーム。エリースはシンプルに前線へ縦にボールを送りチャンスを作ろうとするが、ややラインを下げて自由にするスペースを与えない東久留米のディフェンスに上手く封じられる。対する東久留米は足元の巧さを活かして繋いで攻め上がろうとするも、こちらもエリースが中盤とDFラインで形成されたブロックを崩し切るには至らない。そのまま前半は0-0で終了。

 

じりじりとした鍔迫り合いは後半も続くも、東久留米に若干疲れが見え始めたかエリースが押し込む場面が増えてくる。それでも東久留米が攻めに転じた時の切れ味に錆は見当たらない。このまま0-0でPKとなるか、それとも試合が動くのか。見ている側にも迷いが生まれる後半30分過ぎ、遂に試合が動く。

 

東久留米が中盤で繋ぎを見せたところを潰しに不用意にエリースの左サイドバックが仕掛けにいったことで空いたスペースに東久留米の選手が飛び込む。そこへ絶妙のタイミング出たスルーパス。そしてゴール前ニアサイドへややカーブを描きながら放たれるピンポイントのグラウンダー、最後はニア側を取って走り込んできたFWが受け、ゴールへきっちり流し込む。全てがぴったりと噛み合った素晴らしいゴールで先制点を奪い取る。

 

この1点で完全に息を吹き返した東久留米。最後まで守りに入らず堂々と渡り合って90分を戦い切り1-0で勝利を掴み取った。

 

エリースは東久留米の待ち受けるDFラインに上手く持ち味のライン裏のスペースを付く形が封じられた際のオプションが無かったことと、選手の入れ替えで攻撃の連携や守備の約束事に徹底しきれない部分があったことが敗因となるのだろうか。それでも堅牢なDFラインは健在であった点など好材料もあったし、敗戦自体は当然痛いものの、そこまで内容としては悲観すべきものでは無かったのでは。正直この二次戦に出た関東1部4チームの中では一番しっかりしたサッカーをしていたと思う。

 

東久留米は無理をせずしっかりエリースの攻めを待ち受け完封したDFラインの頑張りがまず最大の功労者。そして攻撃陣も体格で勝るエリースDFに苦しみながらも最後の最後で見事な連携で崩し切った。全社都予選も兼ねた一次戦を勝ち抜くために一度チームを作り上げてきた都リーグ勢と、開幕前でまだこれからチームを作る途上にあった関東リーグ勢との完成度の差を割り引いたとしても十分お釣りが来るほどの素晴らしい戦いぶりを見せての堂々の勝利であった。