2014/4/27 関西サッカーリーグ第3節 アイン食品対高砂ミネイロFC

高砂2-0(0-0)アイン(@キンチョウスタジアム

 

前半は完全にアインの試合。アインの攻撃は前線に張る吉川への放り込みが中心なのだが、その吉川を囮にして筑後、三好といったの2列目の選手が飛び出して裏に抜け出す攻撃を効果的に織り交ぜ高砂のDFラインを破っていく。高砂はカウンターで前線にボールを送ろうとするもアインDF陣に跳ね返されチャンスをなかなか作れない。あとは先制点をいつ奪うかだけと思われたが、GK松村と長尾、中根のCB陣の踏ん張りとアインのシュートミスもあり点を奪えないまま0-0で前半終了。

 

後半7分、結果として試合を決めることとなったプレーが生まれる。左サイドからエリア内にドリブルで入ってきた高砂の選手をアイン谷本が後ろから倒してPKを献上する。高砂の選手の前にはCBが1枚構えていたし、何よりまだゴール前に走り込んできている高砂FWはいなかった状態。わざわざ後ろから行く必要の無い場面での不用意なファウルだったと言わざるを得ないプレーであった。このPKを高砂の寺本が落ち着いて決め先制。これで一気に風向きが変わってしまった。

 

続けざまに高砂は後半10分左サイドから田川がアインDFの寄せが甘くなった所を見逃さず、一気に2人を抜き去りGKまで交わしてゴールを奪い2-0。アインは点を返すことを焦ったことと、2列目が上下動の繰り返しで運動量が落ちたことで前半見せていた的を絞らせない飛び出しが影を潜め単調な攻撃に終始する。高砂はそれをしっかり抑えカウンターで前掛かりになったアインの裏を取ることで試合の主導権を完全に奪い取り、追加点を奪うまでには至らなかったものの危なげなく逃げ切り。2-0で2勝目をあげた。

 

高砂は前半を無失点で抑えられた事が大きかった。その要因としては新しく加入したGK松村の安定したセービングがまず一番の要因であると考える。そしてもう一つの要因としてCBの頑張りも大きいと考える。長尾がまず当たりに行き、中根がしっかりとカバーリングする関係性がしっかり確立されていて、裏を取られてもなんとかフリーではシュートを打たせないような対応が出来ていた。このDFをしっかりと続けられれば得意の早く繋ぐカウンターも活きてくることとなるだろう。

 

アインは逆に先制点を奪えなかったことが全て。あのファウルは不用意極まりないプレーであったが、前半のうちに点を取れなかった焦りもあったのかもしれない。前半見せた的を絞らせない飛び出しは、確かに他チームからすればかなりの脅威となると思われる。ただ、非常に前線に運動量を要求される戦い方だけに、早い時間帯に点を奪えないと今日のように手詰まりになってしまう危険性をはらんでいる所もあるのだろう。4点を奪った関学クラブ戦でも後半は得点0に終わった所もこの辺りに原因があるのかもしれない。それだけに前半のうちにいかに点を奪うか、逆に対戦するチームはいかに前半を凌ぐかが当面は鍵を握るだろうし、アインとしては後半の戦い方をどう構築していくかが今後の課題なのではと思わせる試合であった。