2014/6/22 奈良県選手権大会準決勝 奈良クラブ対天理大学

奈良C3-1(0-0、1-1、延長前1-0)天理大

 

2日連続の試合ということあってか主力の大半を温存した奈良C。それでも数少ないレギュラー組であるCBの三浦、伊澤とボランチ馬場が中央を固め、そこから前線へシンプルにボールを送り込む。天理大は奈良Cの攻撃に押されながらも、奈良Cの連携不足から来るミスを突いてチャンスを伺う。そのまま0-0で前半は折り返し。

 

後半に入って思わぬ形で試合が動く。後半開始早々天理大DFが退場。この混乱に乗じて奈良Cは左サイド深いところからの折り返しに岡山が合わせて先制。1点リードに相手は10人、これで勝負は決したかに見えた。しかし、ここから天理大は人数の差を感じさせない出足の良さで逆に押し返す。そして中盤の網をドリブルで抜けて数的優位を崩すと、縦に抜けた9番へボールが通りそのままゴール。これで1-1の同点に追い付く天理大。試合は延長戦に突入する。

 

最後はそれでも数的優位の差が出てしまった。延長前半終了間際に奈良Cは岡山のゴールで突き放すと、延長後半にももう1点加え試合終了。3-1で奈良Cが決勝にコマを進めた。

 

奈良Cはサブ中心もGK、CBとボランチだけは主力を出し中央を固め、失点さえしなければなんとかなるという目算は見えた。しかし、肝心の攻撃は単純に縦のスペースへ出して何とかするという単調なものに終始。天理大の退場が無ければここで敗退していた可能性も十分にあった。後半は天理大の出足の前に人数差を感じない場面もあったほど。この日は正直勝利という結果だけが残った、参考外の試合と考えるのが妥当だろう。

 

天理大は全く覇気を感じさせず失点を重ねた昨年の準決勝とは明らかに異なる素晴らしい試合を見せた。特に10人になってからの前線からの労を厭わない追い込みと中盤の鋭い出足からのボール奪取、そして勝負所での1対1の仕掛けは見応え十分だった。印象に残ったのは左サイドの高い位置で再三ドリブルで抜けてチャンスを作った9番と、左サイドバックで身体を張った守備と機を見た攻め上がりを見せたキャプテンの3番。最後はあと一歩届かなかったが、見ていた人の心に響く良いサッカーだった。