2014/7/21 東日本社会人サッカー大会3位決定戦 FCガンジュ岩手対R.シュペルブ釧路

岩手11-0(6-0)釧路(@名古屋港サッカー場)

 

試合展開については特に詳細は省略。前半から岩手が攻め続け11点を奪い完勝という展開だった。

 

とはいえ、釧路は決して名古屋までただ90分を無為に過ごすために来た訳では無かった。以前ヴァンラーレ八戸の試合を見た時、雪深い地域のクラブはその環境もあってショートパス主体のサッカーになるという話を聞いた事があったのが、釧路でもそのスタイルは見られた。疲れから単純なロングボールのクリアが見られた後半最後を除けば、バックラインからでもショートパスで繋ぎ、手詰まりになっても簡単にロングボールに逃げず1対1で交わそうとする動きも見せた。

 

勿論そのスタイルが相手に高い位置でボールを奪われ失点を繰り返した要因にもなったのは否定しない。しかし、真っ向から自分達のスタイルで挑み、どこまで戦えるか、どこが通用しなかったのかを肌で感じる事が出来たのはチームとして良い経験になったのでは無いだろうか。少なくとも釧路のサッカーの形を垣間見る事が出来ただけでも自分にとっては意味のある試合だった。

 

岩手は主力の一部が大会に来なかったという話もあったが、試合としてはそのメンバーで完勝した。攻めのスタイルとしては去年の盛岡を一瞬想起させるサイドから繰り返し放り込まれるクロスボールが主体。また、守備の開始点を高めに設定し、精度の下がった縦のボールをボランチがポジショニングの良さでフィルターとなる形でボールを奪っていた。逆に言えばボランチの出足はそこまで感じられなかったのは気がかりである。

 

とはいえ、この日の得点の殆どは個の強さを活かした中央からのミドルや前で奪っての得点ということで、組織で仕掛けるサイドからの攻めから生まれた得点は釧路の体力が完全に切れた8、9点目になってからであった。サイドからの単調なクロスは実際釧路のような地域下位のチームでもある程度は対応出来る。となれば、全社地決クラスのチームであればどうなるかは答えは明白。それをどう解決するのか。少なくともこの日の岩手のサッカーからはそれを探そうとする意図は見えなかった。

 

そしてこの日の岩手を見て一番感じた事は、今回の大会を果たしてどのような位置付けで取り組んでいたのかが見えなかったという事。少なくとも全国の経験が乏しいチームがこれからもし全社地決を見据えるのであれば、このような地域でも上位のチームが来るこの大会が大きな経験を持てる機会に出来た筈なのにという気がするのだが、実際来たメンバーを見てもその意識があったとは思えない。もしサブの底上げの場と捉えていたのであれば、もっとやりたいと考える戦術を徹底させるべきだったと思う。むしろ90分を無為に過ごしに来たのは岩手の方ではなかったか。そんな考えも頭を過ぎった試合であった。