2014/7/27 九州サッカーリーグ第13節 海邦銀行サッカークラブ対MSU FC

海邦9-0(5-0)MSU(@西原町陸上競技場)

 

試合は終始一方的な海邦ペース。前半からテンポ良くパスを繋ぐ海邦に対し、MSUは中盤の守備が全く機能しないため簡単にゴール前までボールを運ばれる。そしてMSUのCBが海邦の前でのキープにたまらず釣り出されると、DFラインはばらばらになってしまいオフサイドが全く奪えない状態に。こうなると海邦は裏に抜け放題となりゴールを量産。更にシンプルに行くだけでなく、常に逆サイドを意識した効果的なサイドチェンジでMSU守備陣を振り回してサイドからもゴールを奪い5-0で折り返す。

 

後半に入ってからは多少ペースを落とし大きなサイドチェンジのボールは減ったが、細かいパス交換から最後まで統率が出来なかったMSUのDFラインを切り裂いて更に4得点。終わってみれば9-0と地元の試合に駆けつけたサポーターの期待に応える大勝となった。

 

MSUは全く良いところが無かったが、特に酷かったのが2点。一つは中盤の出足が海邦のパス回しについていけずフィルターとしての機能を全く果たせなかったこと。もう一つは、DFラインの統率が全く取れないことで明らかな段差が出来、前線に飛び出す海邦の攻撃陣を全く捕まえられなかったこと。これでは全く勝負にならない。

 

攻撃もDFラインからスピードのあるイファラにとりあえずボールを送り、そこから押し上げてチャンスを作ろうとするのがやっと。アウェー沖縄での試合ということもありメンバーが揃わないなどの事情があったのかもしれないが、完全な力負け、しかも全くチームとしての意図も見えなかったという印象だった。

 

海邦は中盤真ん中の2枚、秦と國仲を基点にテンポの良いパス回しと高い位置での効果的なサイドチェンジを織り交ぜた攻めを見せる。そして照屋、吉嶺、浜元といった前線のアタッカーもそれに呼応し鋭い突破を見せ完全にMSUを圧倒。相手のDFが崩壊していたとはいえ、チームとして意図を持った攻めをしっかりと続けて点を取ったことは今後に繋がる勝利であったと思う。

 

また、個人的な印象だが、高い位置でも逆サイドを意識した幅の広い攻撃は昨年のヴォルカを思い起こさせるものがあった。1試合だけで見るのは早計だが、何かそこに鹿児島~沖縄という地域が持つサッカーの共通項についてのヒントがあるのではないかと考えていた。勿論その答え合わせをするには何度か九州、沖縄に足を運ぶ必要がありそうだが、その日はそう遠くない気がしている。