2014/9/21 関西サッカーリーグ第14節 ディアブロッサ奈良対龍野FC

D奈良3-0(1-0)龍野(@播磨光都サッカー場)

 

試合序盤はお互い様子を見ながらサイドの主導権を得るべく、基点となるボランチがボール争いを繰り広げる。その主導権争いに勝ったのは足元で勝るD奈良。藤尾と細川雄の2人が前を向いてボールを奪った瞬間に一気になだれ込むカウンターでチャンスを作っていく。そして31分、D奈良は右サイドから中央に入り込んだ椿本がゴール前でボールを受け、更にその右サイドのスペースを全力で駆け上がってきた右SB高橋へのスルーパスが通る。高橋は冷静にシュートを決めこれでD奈良が先制、1-0で前半を折り返す。

 

後半に入るとサイドでなかなかペースを掴めない龍野は高い位置で張る溝田が裏に走り、そこへボールを送り込む。しかしD奈良のDFラインが最後までマークを外さないためなかなかチャンスに繋がらない。次第に中盤の運動量が落ちてきた龍野に対しD奈良は足元の繋ぎとドリブルを交えて一気に戦況を優位に進める。

 

そしてD奈良の攻めについていけなくなった龍野の守備陣はラインが間延びし、更にD奈良の足元の巧さを活かすスペースが生まれてくる。そして67分に椿本、71分に細川堅が立て続けにゴールを奪い3-0と一気にリードを広げて試合を決める。追い上げたい龍野も放り込みを続けるが、85分に溝田が2枚目の警告で退場となり万事休す。そのまま3-0でD奈良が快勝し、今季関西2部の残留を地力で確定させるとともに、龍野は今季の8位が確定した。

 

D奈良にとっては90分通して危なげない戦いを続け完勝。持ち前の足元の技術を活かして球際で競り勝ち、最後の局面も地上戦で龍野DFを翻弄した。守備陣もサイドからの長いボールへの対処に苦慮する場面が多少あった程度だろうか。それ以外はほぼ龍野の前線に仕事をさせなかった。

 

龍野は足元で完全にD奈良に遅れをとったことから後半縦の長いボールを使って攻めようとしたが、ビハインドを背負った焦りもあってかあまりにも工夫の無い放り込みで楽に対応されてしまった。守備陣も中盤で奪われてからの切り替えが遅く一気にゴール前まで運ばれてしまい失点を重ねてしまった。またそのような悪循環の中で、退場した溝田を筆頭に明らかに苛立ちを見せる選手が目立ち始め、自ら崩壊してしまった面もあった。その点は最後の最後でチームとしての経験の差が出たのかなと感じた。