2015/11/22 地域リーグ決勝大会決勝ラウンド ラインメール青森対サウルコス福井

青森1-0(0-0)福井(@春野総合運動公園陸上競技場)

前半あとが無い福井は、攻めの軸である坂井を出場停止で欠いていることもあってか昨日の2トップから3トップに変えこちらも前がかりに仕掛けてきた。青森は昨日と変わらず5バック気味の3バックでしっかり守ってから3トップに飛び出してくる中盤の三田や両ウイングバックを絡めて攻めの形を作る。両チームとも決定的な場面はあれどゴールには結びつかず前半は0-0での折り返し。

後半に入っても膠着した状況だったが、先に動いたのは青森。62分、昨日と同様中村を下げ菊地を投入。更に67分にはエフライン・リンタロウに替えてアランを投し、前線の運動量を上げる。これが奏功したのか69分、青森はCKの混戦から阿達が押し込み待望の先制点を奪う。これであとは逃げ切り体制を図るべく守備的な種市を投入する。福井は最後の5分くらいで梅井を上げようやくパワープレーの大勢に入るも、更に人数をかけて引いてきた青森守備陣を崩すに時間だけが過ぎていく。そして試合終了。1-0で青森が逃げ切り2位以上を確定させた。

青森は3トップが完全に仕事は出来たわけでは無かったし、守備陣も相変わらずのラインコントロールの不安定さを見せていた。しかし、それを突くには福井の攻撃は外を経由する分時間がかかり過ぎてしまった。青森はこれまでの戦いの中で、後半の苦しい時間帯に前の選手を替えて息を吹き返させて、更にリードしていれば種市を入れて中盤を締めるという方法論が確立されていた。それがここに来て迷い無く膠着した展開を変えるきっかけを作れた要因になった。

一方の福井はどうしても点が欲しい時のオプションを持っているようには見えなかった。結果がどうなっていたとしても、この試合の持つ意味を考えれば何らかの手は打つべきではなかっただろうか。残り20分以降、梅井が自分はどうすべきか、求められるタスクは何なのかと迷いながら上下動する姿は余りにも悲しい姿であった。さらに言えば後半再三亀井のロングスローのチャンスがあったにも関わらず、梅井は全てファーに入りそこに合わせるボールしか投じられなかった点も疑問符が残る。亀井のロングスローは福井の持つ大きな武器。それをもっと有効に活用する術はもっとあったはず。これは事前にオプションの準備を構築出来なかった、そして実際の試合中に戦術転換を決断し、徹底出来なかったベンチ側の責任ではないかと感じている。