2016/11/27 全国地域サッカーCL決勝ラウンド ヴィアティン三重対鈴鹿アンリミテッドFC

三重4-1(2-1)鈴鹿(@ゼットエーオリプリスタジアム

 

勝った方が2位以内なるこの試合、10分に鈴鹿が決定機を掴む。ゴール前フリーになった柿本のシュートを三重GKゴベッチが一旦弾く。もう一度拾った柿本の脚をゴベッチが引っ掛けて倒してしまいPK献上。これを北野が決めて鈴鹿が先制する。三重は鈴鹿の小澤にボランチ高田を付けて出しどころを消しにかかるも、リズムは鈴鹿のまま推移。しかし徐々に三重がセカンドボールを拾えるようになってくると、35分に縦のボールを受けた藤牧が一人かわして冷静に決めて同点に追いつく。ここから三重のペースになるものの鈴鹿が我慢する展開となるが、43分、CKからニアで和波がそらしたところに加藤が飛び混んできてヘッドをたたき込み前半のうちに逆転する事に成功。2-1三重リードで折り返す。

 

後半に入って三重は小澤へのマークを外し、攻撃に厚みを持たせて勝負に出る。鈴鹿がチャンスを一回見せたが、そこからはまた三重のペース。ここを我慢したい鈴鹿だったが61分、またもCKからファーに流れたドウグラスがヘッドで折り返すとまたも加藤が飛び込みヘッドを決めて3-1に突き放す。更に63分に左サイドの裏を突いた岩崎のクロスに中央の藤牧がダイレクトボレーを決めて4-1、一気に差は3点に。すぐさま鈴鹿は小西と泉を投入してサイドから攻める。更に長身のボランチ吉川を前線に上げサイドからのクロスを徹底するもゴールは奪えず。4-1で三重が直接対決を制し2位以内を確定させた。

 

 勝負の分かれ目となったのは後半の3点目。三重は後半に入って一気に仕掛けて追加点を奪いに行っていた。これを15分くらいまで鈴鹿は我慢できれば勝負はまだ分からなかったかもしれない。 しかし、三重は2点目と同じセットプレーでその15分を迎える前に決定打とも言える3点目を奪い取った。それを可能にしたのは藤牧、坂井、加倉と攻め手を広く持つことが出来た事が要因だとは思うが、中でもこの日の藤牧の出来は正直良い意味でここにいてはいけないと思わせる素晴らしいものであった。また、結果的に前日の前半で勝算が薄くなった段階で坂井を投入することなく試合を終えたことが、今日になって効いてきたのではないかとも考える。三重にその意図があったかどうかは分からないが、初日に勝ったことで3日間で2位を奪うために出来ることの選択肢は増えていたということは言えるのではなかろうか。その点では初日を勝つことの大切さを改めて実感させられる試合だったのかもしれない。

 

鈴鹿としてみれば、敗因は色々あるとは思うが、最大の要因は最後の最後で信じられる攻め手は結局小澤ー北野のラインしか無いという状況となっていたように見えたことなのではと感じている。その戦術的な準備もあるが、渋谷や柿本が2週前の影響がまだ残っていたのか、コンディションが悪そうに見えたのも攻め手不足となった要因かもしれない。それでも1ー4となってからも1日目とは異なり、小西と泉を投入してからサイドを徹底して突く、吉川を上げてからはクロスも高いボールを混ぜるなど、チームとしての点を奪うための意思統一が出来ていた。チームは最後まで成長を続けていた。だがそれでも及ばなかったのというのもまた現実なのだろう。