2016/4/24 関西サッカーリーグ第3節 京都紫光クラブ対ルネス学園甲賀サッカークラブ

紫光4-2(1-1)ルネス(@太陽が丘陸上競技場
 
先制はまず紫光。12分に篠部が左サイドからルネスDFの裏を抜けて角度のないところを決める。ルネスは24分、右サイドから吉田がミドルを決めて同点に追いつく。ルネスはプレスを仕掛ける際5バックと中盤4枚とのラインの連携が悪く、ボランチのところでスペースを与えてしまい、紫光が高い位置で前を向ける展開となるもゴールまでには至らず前半はそのまま1-1で終了。
 
後半に入ってもスコアは動かないまま73分、ここでルネスがエリア内での紫光DFのハンドによるPKを得る。これを喜入が決めて逆転に成功する。これでルネスがペースを握るかと思ったが、先にルネスの足が止まる。そこを見逃さない紫光、78分にルネスDFラインのずれを見逃さず抜け出した篠部が前に出てきたルネスGK辻の頭上を越えるループで同点に追いつくと、82分には中央で繋いで最後は島田が決め再逆転に成功する。更に82分にも右サイドを崩して最後は白井が決めて駄目押しの4点目。そのまま押し切った紫光が4-2で今季初勝利を挙げた。
 
紫光は昨季2部でも実力の違いを見せつけた篠部がきっちり力を発揮した。ルネスの中盤のプレスを早めに縦に送る事でかいくぐり、個の突破で勝負出来る選手達がルネスの甘い寄せやずれの目立つラインコントロールを見逃さずに崩しきったという点では理想の戦いではあっただろう。これを上位勢との戦いへの弾みと出来るかどうか注目である。
 
ルネスはまず後半先に足が止まった点が最大の敗因ではあるのだが、学生チームが先に足が止まるという状況というのは予想外であった。このあたりについては紫光を褒めるべきなのかルネスの悪さを指摘すべきなのか。個人的には後者の感情の方が強い。中盤とDFラインとでプレスに行くポイントが統一されていない点、攻めに出る時持ち過ぎて攻撃のテンポが遅くなる点など今後1部を戦う上での課題は多いと感じさせる試合であった。
 

2016/4/24 関西サッカーリーグ第3節 ディアブロッサ奈良対AS. Laranja Kyoto

D奈良1-2(0-1)ラランジャ(@太陽が丘陸上競技場
 
立ち上がり攻めるD奈良だったが、6分にCKのカウンター一発からラランジャ岡村にゴールを奪われる。試合はラランジャが磯部、辻元による前線からの追い込みとゴール前で繋いで相手DFをずらしていく持ち前のパスワークで攻めペースを掴む。D奈良もラランジャの攻めを凌いでサイドから崩しにかかるも、右サイドでチャンスを作っていた椿本が怪我で途中交代した影響もあったかゴールが遠い。ラランジャがそのまま1-0でリードしたまま折り返し。
 
後半に入って53分、ラランジャは変わらぬ前線の追い込みでD奈良守備陣のミスを誘いボールを高い位置で奪うと、そのままゴール前まで攻め入り、最後は辻元が決めて2点目を奪う。追いつきたいD奈良は60分、左サイド鬼岩のアーリークロスファーサイド走り込んできた山本が合わせて1点差に迫る。しかし、ここから落ち着いた試合運びでD奈良の攻撃を封じたラランジャがそのまま逃げ切って2-1。ラランジャが開幕からの連勝を3に伸ばした。
 
ラランジャはGK辰巳、MF中尾と核となる選手を欠いていたが、前線が鋭い追い込みと速いパスワークで上手く点を奪っていった。特に印象に残ったのはMFの磯部。昨年は決定力の方が目立った選手と感じていたのだが、この日は運動量と組み立ての上手さが目出っていたように感じる。ここまで3連勝の結果も納得の試合運びで、昨年1部で戦ったことでチームとしての底上げが出来ているように感じられた。
 
D奈良は前節に続き立ち上がりの戦い方とカウンターへの対処に課題を残した結果となった。生命線である外からの攻めについては何度か決定機もあり機能はしているように感じている。あとは攻めに行った時のバランスの取り方と、ミドルやアーリークロスで目先を変える攻めの幅がもう少し見られれば、本来の形であるサイド攻撃もより有効に働くのではないかと考える。
 

2016/4/17 関西サッカーリーグ第2節 ディアブロッサ奈良対FC TIAMO枚方

D奈良1-2(1-1)枚方(@御所運動公園)
 
開始早々先制したのは枚方。1分、右サイドの裏を抜けた吉薗がそのままシュートを決める。しかしD奈良もすぐに反撃、6分に枚方DF吉田のエリア内ハンドで得たPKを山本が決めてすぐに同点に老いつく。このハンドで吉田は得点機会阻止ということで一発退場、枚方は開始6分から10人での戦いを余儀なくされる。ここから数的優位を活かしてD奈良が優位に試合を進めるも前半は1-1のまま折り返し。
 
後半に入ってエンドが変わると風下になったD奈良の縦のボールが上手くFWにおさまらなくなってくる。そして10人になった事で完全に引いてのカウンターに徹してきた枚方の縦の攻めがスピードを上げる。そして67分、枚方はカウンターから左サイドの裏を抜けて中央へ折り返すと、ファーサイドでフリーになっていた采女がヘッドで押し込みこれが決勝点。後半最後に仕掛けたD奈良のパワープレーも人数をかけて引いて守り切った枚方が、数的不利の中1-2で勝ち点3を手にした。
 
枚方は前半早々に10人での戦いを余儀なくされたが、逆にそれによってDF陣が割り切ってラインを落とすことが出来、それによって前節に見られたDFラインのギャップが消すことができた。また風下の前半を1失点で乗り切った事、後半風上を活かして早いカウンターに徹した事を考えると、この日の強風を上手く味方にしたのは枚方だったという事だろう。苦しい状況ながら得た勝ち点3は数字以上に大きいと思われる。
 
裏を返せばD奈良にとっては勝ち点を最低でも1は確保しておきたかった状況での敗戦はかなり痛かったとも言える。最後まで引いてきた枚方の守備陣を崩す事が出来なかった。とはいえ、あっさりと先制点を与えてしまった点、引いた相手を崩しきれなかった点とこれまでの悪い形が出てしまったこともまた事実。この点を如何に解消していけるか。同じ事の繰り返しになってしまってはならない。
 

2016/4/9 関西サッカーリーグ開幕戦 ディアブロッサ奈良対アイン食品(株)サッカー部

D奈良0-0(0-0)アイン(@鶴見緑地球技場
 
縦に早めに入れるアインと繋いで外から攻めるD奈良という毎度お馴染みの展開となったこの試合。この日はD奈良が優位にゲームを進める。しかしセットプレーからの山本のシュートがバーに当たったり、芝野のミドルのこぼれ球を詰めた山本が倒されて得たPKをアインGK川崎に止められるなど、なかなかゴールが遠い。一方のアインも前線の三好を中心に圧力をかけるも、D奈良守備陣が落ち着いてブロックを築き決定的な場面を作らせない。前半は0-0で折り返し。
 
後半もD奈良のペースで試合は進む。右サイドを崩して椿本がシュートを放つも、これはまたもクロスバー。決めきれないD奈良に対し、アインもD奈良のブロックを崩せず出し所が無い状況で試合は膠着。最後粘りを見せアインがミスパスを奪ってのカウンターから決定的な場面を作るも、シュートは無情にも枠の外。最後まで緊張感が張り詰めた試合は0-0のスコアレスドロー。お互い痛み分けの勝ち点1という結果となった。
 
D奈良としては引き分けながらも収穫はあった試合。DFラインとボランチのブロックがしっかりと機能しており、途中アインの中盤からボールの出し所が無くアインの選手が声に出していらだちを見せたシーンは印象的であった。攻撃陣は昨年より両翼の椿本と新家が中に入り込む場面が多く見られるなど良化の兆しも見られた。繰り返しになるのかもしれないが、1本のきっかけが今のD奈良には一番必要なのかもしれない。ただ、それだけがどうにも遠いのがもどかしいところでもある。
 
アインは中盤から前線への圧力に昨年ほどの力強さを感じなかった。コンディションの問題なのか選手を入れ替えた影響なのかまでは推し量れなかったが、後半最後の決定的な場面以外はD奈良守備陣に上手く押さえ込まれてしまった。逆に言えばこの展開でもしっかり勝ち点1を拾えたことは収穫と言えるのかもしれない。個の力はある選手が揃っているので時間と共に良化はしていくと思われるが、それが遅いとずるずるいってしまうだけに注意は必要であろう。
 

2016/4/9 関西サッカーリーグ開幕戦 高砂ミネイロFC対FC TIAMO枚方

高砂2-1(1-1)枚方(@鶴見緑地球技場
 
立ち上がり高砂のDFラインがばたつくのを見逃さず枚方は早めにサイド奥へボールを運びチャンスを作ると4分、左サイドからの折り返しに木田が合わせてあっさりと先制点を奪う。ここから枚方の攻勢が続くが、高砂守備陣が落ち着きを取り戻すと試合は徐々に高砂のペースに。中盤でボールをキープできる柏木を起点に攻める高砂は16分、その柏木から1人繋いで左サイドの裏を抜けた藤原へスルーパスを通すと、折り返しに中央で待っていた吉田が冷静に決めてあっさり同点に。そのまま前半は1-1で終了。
 
後半に入っても縦にボールを入れる枚方と柏木を軸に繋いで攻める高砂の構図は変わらないが、ペースは高砂が握ったまま。そして57分、高砂は右サイド八束からのクロスボールに逆サイドから走り込んできた柏木がワントラップで裏に抜け最後は冷静に決めて逆転に成功する。そのまま高砂は最後ペースダウンするもGK日野を中心に1点差を守り切り試合終了。高砂は昨年1部の枚方を破って幸先良く勝ち点3を奪うことに成功した。
 
高砂は開始早々のバタバタの間に点を奪われるも、落ち着きを取り戻してからはDFラインも安定し、GK日野の好守もあって枚方の攻めを抑えきることができた。攻撃陣は中盤の柏木が好調で、彼のキープでタメを作ってから縦に速く攻める形を作ることができていた。次節からは加古川から辻村隆が加入するとのことで、前線の吉田、藤原と噛み合えば一昨年のような昇格争いも見えてくる状況もあるかもしれない。
 
一方の枚方は新加入の選手がいたこともあってか全体的に連携が今ひとつといった印象。ただ前線の木田、采女の破壊力は2部でも上位クラスなので、彼らを中心に持ち前の外の奥へ入り込んで崩す形がもっと出てくるようになれば状況は好転するように感じられたが、まだそこまでには至っていないというのが正直な感想である。また、後半高砂の足が止まる前に木田を下げてしまった采配は敗着ともいえた交代だったと感じている。木田の状態が悪いようには見えなかったので、あのままピッチに残っていれば結果はどうなっていただろうか。疑問符は残ったままである。
 

2016/3/13 JFLファーストステージ第2節 FCマルヤス岡崎対FC大阪

大阪2-0(0-0)マルヤス(@名古屋港サッカー場)

 

前半は両チームとも早めに縦のボールを送り合う展開。マルヤスはトップに入る松本めがけてロングボールを入れれば、対する大阪は中盤のジュニーニョを起点にして外からの攻めを急ぐ。これらの攻めに対し、大阪はボランチの濱上がバランス良くスペースを埋めながら松本を封じ込めて攻め手を潰し、マルヤスはCBの吉弘と福ヶ迫が堅牢さを保ち決定的な場面を与えない。膠着したまま0-0で前半終了。

 

後半に入って56分、いきなり試合は動く。大阪の濱上が放ったミドルがイレギュラーバウンドにも助けられゴールに吸い込まれる。先制されたマルヤスは中々攻めの手を増やせないが、70分に入って佐野、80分にはレオジーニョを投入するとやっと攻撃の幅が増え始める。対して大阪は守備的な西岡、木匠を入れ逃げ切りを図る。そして88分にはFKを直接ジュニーニョがたたき込み2-0と突き放すことにも成功するとそのままタイムアップ。大阪が開幕2連勝で幸先の良いスタートを切った。

 

大阪については昨年まで中盤で攻守に効いていた清水が抜けた穴をどう埋めるかを気にしていたのだが、その回答は濱上とジュニーニョの分業であった。全体として攻守の分断という印象はより強くなったように見えた点は気になるが、現状は結果も出ているのでそこまで気にする必要は無いだろう。印象に残った選手はボランチの濱上。DFラインのスペースを埋めたり、下がってボールを受けるマルヤスの松本のマークに付いたりと非常に気を遣って守備を行っており、大阪の「数少ない秩序の下支えの元に成り立つ無秩序」を今年体現しているのは濱上なんだろうと感じさせるプレーぶりであった。

 

また、攻撃に関しては相変わらずの前4人+1のアドリブ任せだったが、相変わらず個のタレントは揃っているのでそれなりに戦えそうである。気になっていたこととして、ジュニーニョのCKがあまりにも速いボールであったため中央の選手と合っていないことがあったのだが、直接FKならば合わせないでいいということにゴールを決めるまで気付かなかった点は個人的に反省点である。

 

一方のマルヤスだが、守備に関しては2失点ながらも昨年からの良化は見られた。特にCB2枚が堅牢なので、そこを中心にしっかりブロックを作り組織的な守備は見せていた。あとは2枚のボランチがもう少し積極的にボールへ仕掛ける場面が増えてくればより強固なブロックを築けるのではないかと思う。

 

一方の攻撃は昨年の築館へのロングボール一辺倒が新加入の松本に変わっただけの状況。同じく新加入の鶴見を含め、どうやって点を奪うかということがまだチーム内で詰め切れていない印象を受けた。それは佐野、レオジーニョという攻撃で決め手のある選手が入っても同様で、一発のパスやドリブルでなんとかこじあけられればというプレーが目立ち、組織で点を奪うとうところまではいっていない。右サイドバックの小田切が何本かいいクロスを上げていたのでここをうまく生かせることができないだろうか。

 

また、一昨年からずっと気がかりである山村監督の手の遅さがまたこの試合も出てしまった。佐野とレオジーニョの投入は計画通りであっただろうが、1点ビハインドとなった時点でそのプランを早めるという選択肢は無かっただろうか。結果論は承知の上だが、どうも攻撃の手を打つのがワンテンポ遅いことで勝ち点を逃しているような気がしてしかたないのだ。