2016/9/25 関西サッカーリーグ最終節 ディアブロッサ奈良対関学クラブ

D奈良5-1(2-0)関学C(@日岡山公園)

 

この日はとにかく得点が欲しいD奈良、トップの山本にボールを預け縦に速い攻めで勝負に出る。それが功を奏したか3分、18分と山本が立て続けにゴールを奪う。更に攻めを続けるもそこからゴールが遠い。前半40分過ぎのPKのチャンスも細川堅が関学C東に止められ追加点とはならず。そのまま2-0で前半は折り返し。

 

後半もD奈良は攻める51分、59分と椿本が立て続けに裏を抜けて点を奪う。関学は65分に下村がイエロー2枚で退くと、66分には左サイド鬼岩のクロスに山本が合わせハットトリックで5-0。しかしここからD奈良は焦りからかラインが伸び逆に関学C中盤のテクニックが活きるスペースを与えてしまう。そして関学Cは71分、右サイドのクロスから三ノ宮が決めて5-1。勝敗は既に決していたが、もう一つの見えない敵と戦うD奈良はなんとか点を奪おうと前にボールを送るもあと1点が奪えない。そして5-1のまま試合終了。D奈良は2位のSt.Andrews's FCまであと1点届かず3位でシーズン終了となった。

 

試合自体はD奈良の地力が上回っていたということで順当な勝利。それよりもこの日は同時に試合している昇格争いの相手という見えない敵との戦いの難しさを実感させられた試合となった。これ以上は今はまだ書けない。

 

2016/9/17 関西サッカーリーグ第13節 ディアブロッサ奈良対岸和田クラブ

D奈良2-1(1-0)岸和田(@御所運動公園)

 

前半は完全にD奈良のペース。トップの山本を起点にしつつ、ボールを支配し岸和田ゴール前に迫っていく。しかしなかなかゴールが奪えず時間が経過していく。それでも45分、カウンターから山本がゴールを決め1ー0とリードして折り返す。

 

後半に入って早々、D奈良はまたも山本が裏を抜けゴールを奪う。これで2-0と試合の流れはD奈良に行ったかに見てた。しかしここから岸和田が反撃。63分右サイドを崩し折り返しに山本がゴールを決めると、勝ち点3を意識したのか動きが鈍いD奈良を押し込んでいく。しかし、最後までゴールは奪えず89分に藤原が2枚目のイエローで退場し万事休す。D奈良が2-1で勝ち点3を死守し、最終戦に昇格の望みを繋げた。

 

ここで負けると残留の目がほぼ消える岸和田、最後まで徳永を中心に運動量を切らさずに戦った点は素晴らしかった。しかし引き分けに持ち込むことも出来なかった最大の要因は、CB陣がD奈良の山本との競り合いに悉く負け高い位置でD奈良にボールを持たせる場面を作らせてしまったこと。最後の藤原の退場も抑えきれなかった結果の警告2枚であった事は否めない。

 

D奈良は高い位置で優位にボールを持てたが、その時間帯にもう少し点が奪えていればもう少し楽に試合を終えられたかもしれない。その点では勝利という結果も少し反省点の残る試合だったであろう。しかしシーズン終盤に入って山本の状態が上がっているのは好材料。彼がボールを収めてから展開する流れが今はしっかりと出来ているのは本当に大きい。

 

2016/9/11 関西サッカーリーグ第12節 ディアブロッサ奈良対St. Andrew's FC

D奈良4ー2(2ー1)Andrew's(@水口陸上)

 

この日はカウンターでのサイドからの攻めが上手く機能したD奈良、まずは6分に右サイド椿本の折り返しに山本が飛び込み先制。更に16分には右サイド中室からのアーリークロスを椿本が頭で合わせ2ー0。すぐさまAndrew'sもセットプレーから最後は渡邊が押し込んで1点差に。このまま終わるかに見えたロスタイム、山本のシュートの跳ね返りを椿本が頭で押し込み3ー1とリードを広げて前半を折り返す。

 

後半もD奈良のカウンターは威力を失わない。65分には左サイドを抜けた新家のクロスに椿本ファーの角度が無いところから見事なダイレクトボレーを決めてハットトリック。Andrew'sは80分に青山のゴールで反撃するもここまで。D奈良が4-2で快勝し昇格戦線に生き残った。

 

この日はD奈良の強かさが目立った。きっちりと2本のラインが組織的に動き、奪ってから一気にテンポを上げ縦に速いボールを送り込みゴール前に迫る。その戦いぶりは完全にAndrew'sを圧倒していた。そして、ここまでゴールに嫌われることの多かった椿本がこの日は大爆発。4点目のダイレクトボレーは是非とも映像で抑えていて欲しかった素晴らしいゴールであった。

 

一方Andrew'sはD奈良の粘り強い守備の前にボールの出し所を失い、守っては弱点のラインコントロールの拙さをD奈良のサイドアタッカーに突かれ失点を重ねた。2点は返したものの内容としては完敗と言える内容であった。

 

2016/7/31 JFLセカンドステージ第7節 FCマルヤス岡崎対ヴァンラーレ八戸

マルヤス1-1(0-0)八戸(@豊橋岩田運動公園球技場)
 
開始早々いきなり八戸は決定的な場面でヘッドを放つもマルヤスGK藤井の好守に阻まれる。更にCKからフリーで打ったシュートもマルヤス守備陣に阻まれ先制のチャンスを逃す。更にマルヤスは新井山を軸とした八戸のテンポの良いボール回しに全くついて行けず決定機を作られる。しかしこれをなんとか凌いだマルヤスは、前線に張るダ・シルヴァと鶴見への縦のボールから組み立てを図る。すると徐々に八戸のテンポに慣れてきたのか、八戸のショートパスを止めて逆にカウンターを繰り出す場面も見られ始め互角の展開に。そのまま0-0で前半を折り返す。
 
後半に入っても主導権をどちらも掴みきれないまま試合は進んだが、68分を境に試合は一気に動き出す。八戸は左CKからニアで成田が合わせ待望の先制点を奪う。マルヤスはレオジーニョを投入し追いつこうとするも直後の71分、安藤がこの日2枚目のイエローを貰い退場。マルヤスは失点に加え1人少ない状況となり追い込まれる事となる。しかしマルヤスはここからダ・シルヴァとレオジーニョの2枚を前線に残し、中盤左サイドを空けるような布陣に変更。左サイドのMFだった地主園をDFラインに下げつつも状況によって前線に送り込むことと、ボランチの田中や前線のレオジーニョが流れる事でこの空間を埋める方策に出る。そしてそれが上手く嵌まったのが80分、左サイドの波状攻撃から最後は田中のクロスにファーで待っていたダ・シルヴァがジャンピングボレーで合わせる驚愕の同点弾でマルヤスは1-1の同点に追いつく。
 
順位を考えるとどうしても勝ち点3が欲しい八戸は、直後の高見から李澤への交代をきっかけに長身の山﨑と佐々木の2人を前線に並べる。狙いはクロスからの一発、その発射台は右サイドバックの市川。マルヤスが空けざるを得なかった八戸右サイドのスペースでフリーになった市川が精度の高いアーリークロスを何度も打ち込み勝ち越し点を狙いに行く。マルヤスは防戦一方になりながらも2トップにボールを供給し虎視眈々とカウンターを狙う。しかし結局両者共に決め手の無いままタイムアップ。見所の多いゲームだったが結果は1-1の引き分けに終わった。
 
マルヤスは何よりもダ・シルヴァの加入が大収穫。前線で寄せられる、ポストもこなす、そして視野の広さとキックの精度が高い。むしろ彼のプレーのテンポにまだ他の選手が対応し切れていない場面が見られたのが課題と思える出来であった。あのシュートは出来すぎという見方もあるが、それだけの能力は秘めているということだろう。この出来をコンスタントに発揮出来ればかなり面白い事になりそうだ。また、10人になってからの選手の頑張りも素晴らしかった。特に左サイドをこれでもかと言わんばかりに上下動を繰り返した地主園の頑張りは特筆もの。また、ボランチの田中と大庭が運動量を切らさずに攻撃の際押し上げていった点も同点ゴールに結びついた大きな要因と思われる。一方で課題は2つ。まずは当然ではあるが、失点直後に軽率に2枚目のイエローを貰ってしまった安藤のプレーが挙げられるだろう。そしてもう1つはセットプレーでのマークの甘さ。失点シーン以外にも八戸の選手にフリーで打たせる場面は再三見られ、ある意味失点があの1回だけで済んで良かったと言えるくらい危険な場面は多かった。
 
八戸についてはまず八戸特有の膝下の高さでボールを繋ぐサッカーが見られた事が嬉しかった。ただ、最後の局面ではチームが入れ替わったのではと思うくらいに遠目のシュートやクロスからのボールが目立ったのが気になった。ゴール前であと一本ショートパスでずらせばシュートコースが開いたのではという場面もあっただけに余計にその思いは強くなったのかもしれない。また、後半終了間際に市川から2トップへのアーリークロスを徹底する方針に切り替えたあたりは、厳しい状況における戦術の引き出しもしっかり持っているのだという印象を受けた。八戸の課題は先述したゴール前での崩しの動きが欲しいという点と、人数の差を全く感じさせる事が出来なかった後半の運動量の落ち込み、特に1ボランチの岡田に対する負担の大きさが挙げられる。運動量に関しては気候の影響を原因と挙げられるかもしれないが、アウェーで暑い地域に行く事は避けられないだけにそれでも克服しないとならない課題であろう。
 

2016/7/18 奈良県選手権準決勝 ディアブロッサ奈良対天理大学サッカー部

D奈良0-4(0-1)天理大(@奈良県フットボールセンター)
 
序盤テクニックで上回るD奈良が両サイドから攻めを見せるも、徐々に天理大が中央の縦のボールから外の裏を狙う形で対抗。そして天理大はギリギリのタイミングで右サイドを抜け出すと、折り返しをファーサイドで合わせて先制点を奪う。すぐに取り返したいD奈良だったが徐々に攻めが繋がらなくなる。更に左サイドの鬼岩がゴール前ヘディングに行こうとしたところを天理大の八倉と交錯し倒れ込み、そのまま負傷交代となるアクシデントも発生。不穏な空気のまま前半は0-1天理大リードでの折り返し。
 
後半に入り天理大は縦の単純な裏狙いに攻めを切り替えるとこれが上手く嵌まり、D奈良GKと守備陣の連携ミスを突いて2-0と広げる。D奈良も縦のボールを放り込み打開を図ろうとするが、逆に天理大のカウンターを受け更に2失点。最終的には4-0で試合終了。天理大が奈良県選手権決勝へと駒を進めた。
 
最後の2失点はトーナメントであるが故に攻めに行った結果とすれば、それまでの2失点を如何に防げたかがD奈良としては課題であろう。特に先制点については微妙なオフサイドの判定ではあったが、そこでDFラインが足を止めてしまった点が痛かった。この点については個人的にも声を出す判断が遅れたという反省があったのだが、そこについては主題とは異なるのでここまでとしておきたい。また、D奈良とすれば先制された時の戦い方の難しさを再認識する試合となったように思われる。この点も今後の昇格争いにおいて鍵を握る課題になるかと感じられた。
 
天理大は前後半で攻め手を切り替えてくるなど戦術の浸透は出来ているチームであると実感出来た点は収穫。個のフィジカルや技術を上げていくことで更にチームとしての質は上がっていけるのではと感じている。
 

2016/7/10 関西サッカーリーグ第11節 ディアブロッサ奈良対高砂ミネイロFC

D奈良3-2(2-0)高砂(@高砂陸上)
 
この日はいつものこの対戦とは対照的に、前線で細かく攻める高砂に対してD奈良が長いボールを入れて対抗。9分にはDFの裏を抜けた新家が倒されPK奪取、これを細川堅が冷静に決めてD奈良が先制。更に31分今度はカウンターから縦のボールを椿本がダイレクトのヘッドでDFラインの裏に通すと、そこに抜けてきた新家が絶妙のタイミングで受けてゴールを奪い2-0。途中GK吉田がゴール前のアクシデントで負傷交代する場面があったが、D奈良が流れを掴んだまま2-0で前半終了。
 
後半に入って早々の50分、またもD奈良は新家が縦に抜け出し3-0とリードを広げる。更に何度か決定機を掴むもそこからは点を奪えず試合は終盤へ。高砂は諦めずに前線の選手を替え前線の運動量を維持する戦いを見せると、ここから状況は一変する。まず70分にサイドから崩して岡本が1点を返すと、更に89分にも柏木が決めて1点差に迫る。ロスタイムも攻めを見せた高砂だったがD奈良守備陣もなんとか凌いで試合終了。D奈良が3-2で逃げ切り昇格争いのために大事な勝ち点3を確保した。
 
高砂としては守備陣がロングボールに対する対処に苦慮した点は想定外だったのかもしれない。後半途中までは何度もロングボールが頭を越え、裏をD奈良攻撃陣に突かれる場面が見られた。ここを早めに修正出来ていれば、後半の追い上げを考えると結果はまた違っていたかもしれない。それくらい最後の追い上げは見事なものであったし、柏木、吉田といった技術に長けた選手が見せる攻撃は見応えがあった。それを許したD奈良の反省点としては勿論終盤の戦い方であろう。中断明け3試合、この部分を如何に克服するかが鍵を握ってくるだろう。
 

2016/7/3 関西サッカーリーグ第10節 ディアブロッサ奈良対AS. Laranja Kyoto

D奈良2-1(1-0)ラランジャ(@新庄第一健民G)
 
立ち上がり8分、D奈良はラランジャのクリアミスを拾った新家がそのまま持ち込み先制点を奪う。そこからは一進一退。ラランジャは左サイドバックの杉山が高い位置に張って攻めることにより、D奈良の攻撃の起点となる右MF椿本のポジションを下げさせる。それでも椿本は激しい上下動と一発のドリブルで好機を演出しゴールに迫る。見応えのあるサイドの攻防もなかなか点には結びつかず前半は1-0でD奈良リードで終了。
 
後半に入りラランジャは美里を軸にショートパスでD奈良の守備をずらしシュートまで持ち込む場面が増える。D奈良はカウンター狙いでラランジャDFの裏を狙っていくも流れはラランジャ。そして65分、右サイド遠目のFKから松本が押し込み同点に追いつく。ここから30℃を軽く超える暑さの影響か両チームともシンプルな攻めへとシフトしていく。D奈良は新家が抜け出してGKを引きつけフリーの椿本へラストパスを出すもシュートは枠の外。一方ラランジャもあと一歩まで迫るがシュートをギリギリでクリアされ決勝点を奪えない。引き分けも視野に入ってきた88分、中央を抜け出したのはD奈良の山本。そのままDFを振り切り冷静にゴールへボールを送り込みこれが決勝点。D奈良が昇格争いにおいて絶対に必要であった勝ち点3をギリギリで奪い取った。
 
この日にの試合については消耗戦になるのは間違いなかっただけに鍵を握るのは最初の10分と試合前から思っていた。終盤リードしていれば消耗戦においても気持ちを持たせる事は出来るだけに、早い時間帯の得点は最重要事項だと考えていたからなのだが、結果勝利を収めたのはその時間帯に先に得点を奪ったD奈良であった。この点は試合の入り方としてミスをしてしまったラランジャは反省点となるだろうし、このミスを見逃さなかった新家を褒めるべきだろう。その後の展開は互角だっただけに余計試合の入り方の差が際立つ結果となってしまった。
 
また、最後の最後で奪った決勝点は途中交代の山本が奪ったゴールだったのだが、この時間帯でも動けるストライカーを温存して投入したベンチワークも見逃せない。ただここについては、交代投入が1人だけで試合を終えたラランジャの采配が少し気にもなっている。交代選手を出さなかったのか、それとも出せなかったのか。