2016/6/25 関西サッカーリーグ第9節 ディアブロッサ奈良対FC TIAMO枚方

D奈良0-6(0-2)枚方(@鶴見緑地球技場
 
序盤から枚方ペースでの試合。サイドに高い位置で構える浅井、木田が裏に抜けるたりドリブルで縦に入ったりするプレーをD奈良守備陣は止めきれない。それでも我慢してきたD奈良だったが、28分に左サイドを崩され中央で木田に決められると、32分にも木田に決められ一気に2失点。そのまま枚方のペースで前半は2-0枚方リードで終了。
 
後半に入って流れがどうなるかと思われた開始直後、枚方はカウンターから右サイドを攻め岡田が3点目を奪う。これで一気に崩れたD奈良に対し枚方は攻めの手を緩めない。55分には浅井が4点目を奪う。79分に藤代が2枚目のイエローで退場となるも状況は変わらず、終了間際の86分には加藤、88分には木田がハットトリックを達成し大量6得点で試合終了。枚方が昇格争いのライバルとなるD奈良相手に6-0と大勝し、勝ち点3に加え得失点差での大きなアドバンテージも獲得した。
 
D奈良としては最後まで枚方攻撃陣の斜めの動きや仕掛けに対応出来ないまま終わってしまった点は反省点であろう。実際枚方のような相手とは相性が良くないとは思われるのだが、相性という言葉で片付けるには痛い大敗となってしまった。枚方からすれば取れる時にきっちり取れた点は好材料。開幕当初と比較して中盤から前線にかけての点を奪いに行く上での約束事は徹底出来てきたように思われるだけに、後期逆転昇格の目も十分に出てきたように感じられる。
 

2016/6/19 関西サッカーリーグ第8節 ディアブロッサ奈良対アイン食品(株)サッカー部

D奈良2-1(1-0)アイン(@五條上野公園)
 
両チームとも縦に速い攻めからチャンスを見出そうとするが、中央から行くアインと外から攻めるD奈良とストロングポイントは対照的。そこでまず大きなチャンスを掴んだのはアイン。ゴール前ヘッドに行こうと飛び込んだところにD奈良DF浦の足が入ってファウルとなり、PKを奪取する。しかしこのPKは左に僅かに外れ先制点には至らない。ここで一瞬気持ちの落ちたアインの状態を見逃さずD奈良は右サイド椿本のクロスから山本が決めて逆に先制を奪う事に成功する。そのまま1-0でD奈良がリードして前半は折り返し。
 
後半に入って一気に出足をかけてくるアインは47分、中央屋や左からゴール前になだれ込み最後は泉がやや遠目からたたき込み1-1に追いつく。これでまたアインに勢いがつくもD奈良も我慢して1-1のまま進む。この均衡を破ったのはD奈良。途中交代で入った岸本が中央でボールを受け、アインDFをドリブルで振り切り値千金の勝ち越しゴールを奪う。このままで終われないアインは残り10分を切って波状攻撃を見せるもゴールは奪えず、最後はロスタイムに金丸が2枚目のイエローを受けて退場となり万事休す。D奈良が厳しい競り合いを制し昇格争いに踏みとどまる貴重な勝ち点3を手にした。
 
全体を通して自分たちのペースを突き通したD奈良と不安定なペースに終始したアインという印象。そう考えれば相手が良い流れの時間帯をしっかりと我慢し、落ちた時間帯にきっちり点を奪えたD奈良の落ち着きと勝負強さが見えた試合と言えよう。逆に言えばアインは良い時間帯と悪い時間帯がはっきりする部分を上手く活かせなかったとも見える。特に最後の攻勢に出た時間帯で退場してしまったシーンなどはその象徴だったのかもしれない。
 

2016/6/12 東海サッカーリーグ第6節 ヴィアティン三重対FC岐阜SECOND

三重4-1(1-0)岐阜S(東員町スポーツ公園陸上競技場)
 
開始早々三重は右サイドの裏を抜け出し、最後はファーサイドでフリーになっていた加倉が決めてあっさりと先制点を奪う。岐阜もCFの藤沢、トップ下の井上を中心にサイドを繋ぎながら攻めるも三重は引き気味に守って最後のところは人数をかけゴールを割らせない。一方岐阜S守備陣も落ち着きを取り戻し、三重のFW藤牧、岩崎を抑えて追加点を与えない。スコアは三重、流れは岐阜Sといった形でそのまま1-0三重リードで前半終了。
 
後半に入り岐阜Sの方が良い形を作っていたが、65分、岐阜Sコーナーからのカウンターを藤牧が決めて三重に待望の追加点が入る。これで一気にトーンダウンしてしまった岐阜S、徐々に攻めに鋭さが失われていく。そしてCKからグァクが3点目、最後は藤牧のこの日2点目のゴールで4-0。岐阜SもロスタイムにPKを奪い、藤沢が冷静に決めて1点を返すも時既に遅し。4-1で三重が岐阜Sを下し優勝争いに踏みとどまった。
 
試合のポイントとしては三重の2点目。1-0で前半を終えたがペースはやや岐阜S、次の1点が試合の流れを決める状況での岐阜S側のCKを防いでのカウンターによる得点。と言葉で書くとこうなるのだが、この時の岐阜S牧野のCKとその後跳ね返りのクロスが悪印象。CKが続けての2本目だったのだが、相手DFが準備出来ていないうちにと思ったのか味方も準備出来ていないのにボールを蹴り込む、更に跳ね返りのクロスはペナルティエリアぎりぎりくらいのファーサイドで三重のDFだけが待ち構えていた所に入れてしまう。悪い言い方をすればこの失点はほぼ彼の責任。以前彼については良い選手だという評判を聞いていたのだが、現在彼がこのカテゴリにいる理由はワンプレーで理解出来てしまった。実際この1点で試合はほぼ決したという内容だっただけに本当に悔やまれる失点となった。
 
結果として1-4となったが岐阜Sのサッカー自体は点差ほどの悪さは感じなかった。CFの藤沢を軸にしつつも彼の周囲で動く選手がスルーパスを交えた細かいつなぎや勝負のドリブルを仕掛けていく攻撃は見応え十分ではあった。特にトップ下の井上はドリブルの突破力に優れる良い選手。後半少し消えたところを見てもスタミナ面での課題はあるが、東海でも屈指の選手になれそうなものを持っていると思われる。あとは面白い攻撃ではあったが難しい事を狙いすぎて上手くいかなかった部分があったのも事実。その緩急をつけられれば上位との差も詰まっていくのでは思われる。
 
三重はオーソドックスな2ラインの4-4-2で引き気味のゾーンディフェンスからFWの足元やサイドの裏にシンプルに縦を入れる形。前半はFWに当てる事の方が多かったが、後半に入ってサイドの裏を狙うボールが増えていたように感じた。最も印象に残った選手は左サイドの加倉。運動量を落とす事なく縦の上下動を繰り返し攻守に貢献、特に後半は完全に左サイドを支配していた。藤牧、岩崎の2トップも相応に力はあるし確かに東海では上位の力はあるが、現状「次」を見据えた場合にはボランチの出足とタイミング、DFラインのが振り回された時の逆サイドの守備が課題。特にボランチがゾーンで守る事に拘るあまり行くべきところで仕掛けられていないため、簡単に岐阜Sに繋がれる場面があった。この辺りを修正する事が先を考えた場合に必要となるだろう。
 

2016/5/28 関西サッカーリーグ第7節 ディアブロッサ奈良対関学クラブ

D奈良7-1(3-0)関学ク(@五條上野公園)
 
開始早々試合は動く。関学クGKへのバックパスに詰めていった新家がボールを奪いそのままゴールへ。D奈良がいきなり先制点を奪う。なおも中盤を支配し左右から仕掛けていくD奈良に対し、関学クは喜入が退場で1人少なくなる苦しい展開。D奈良はここで緩めず点を奪う。2点目は右CKからの混戦で最後はオウンゴール。更に中央から崩して最後は椿本が決めて3-0と前半で速くも勝負を決めてしまう。
 
後半に入って椿本のこの日2点目となるゴールで4-0としたD奈良。関学クはここで三ノ宮が前から仕掛けてボールを奪い森に繋いで1点を返すが、これは火に油を注いだだけの結果に。ここからD奈良は細川堅のPKで5点目を奪うと、細川堅のループがバーを叩いた跳ね返りを山村が拾って蹴り込み6点目。とどめはど真ん中を奇麗なワンツーで抜けた藤尾が決めて7-1。D奈良が圧勝で前半戦最後の試合を勝利で飾った。
 
終わってみれば7得点の大花火大会。前節の岸和田戦に続いて開始早々の新家のプレッシングが機能して先制点を奪えたのがまず大きかった。更に椿本の2点以外は全て別の選手が取ったという点も収穫。開幕当初と比較して攻撃の幅は明らかに広くなっており、相手とすれば的を絞り込みにくい状況となっているように感じる。この攻撃を維持出来れば後期に入っても上位相手にも良い戦いが出来るであろう。
 
一方の関学クは中盤で後手を踏み、更には一発退場で1人少なくなってしまっては大敗も致し方なしといったところ。最後は全くD奈良の前線を捕まえられなかった。それでも数少ない勝利へのプロセスとして三ノ宮が前線からの追い込みを諦めずに仕掛け、そこからゴールを奪った点は唯一の好材料だったといえよう。また、中盤の起点となったルーキー森も数少ない収穫の一つ。ただ、彼がもっと前でボールを持てないようではこの先も苦しい戦いは続くだろう。
 

2016/5/15 関西サッカーリーグ第5節 ディアブロッサ奈良対St. Andrew's FC

D奈良3-2(2-0)Andrew's(@御所運動公園)
 
D奈良は15分、相手選手のエリア内ハンドで得たPKを細川堅がしっかりと決めて先制。更には29分、左サイドからのクロスに中央に入り込んできた椿本が決めて2-0とあっさりリードを広げる事に成功。ここから運動量に勝るAndrew'sが縦に速い攻めでゴール前に迫るもDF石原を中心としたD奈良守備陣が我慢してそのまま前半を2-0で折り返す。
 
後半に入りペースはAndrew's。いずれも中央から攻めて53分に呉、そして69分には田頭が決めて同点に追いつく。しかしここでD奈良はすぐさま71分に中央を抜けた椿本がドリブルで持ち込みそのままゴールを決めて再び突き放す。その後もAndrew'sの攻めを凌ぎきって試合終了。3-2でD奈良が今季初勝利をおさめた。
 
Andrew'sはハンドでのPKで先制されるなど不運な部分もあったが、残りの2失点は中央を完璧に割られた失点だっただけに守備陣の連携に課題を残した1戦であった。特に3点目は2-2に追いついた直後にあっさりと中央の裏を抜けられるものであった。この辺りの試合をコントロールする能力がまだ十分に無いところは若さが出た印象である。とはいえ2得点はいずれも学生チームらしい運動量と縦の早さを活かした攻めで、この点については関西2部では上位クラス。昇格1年目だが、1部昇格を争う力は十分にあると感じさせる内容であった。
 
D奈良は前半で2点を奪い主導権を握り、運動量で上回られる後半を我慢して凌ぎ切るという学生相手としては理想的な展開で勝ち切った。特に2得点の椿本が先週の奈良県選手権でも見せた最後の局面で中に入り込むプレーが増え、得点への意識が増していることがかなりの好材料。ここ数年「王手をかける」仕事を一手に担ってきた彼が「詰ませる」プレーが出来ているということは、彼自身の好調さもあるし、他の選手からも「王手をかける」事が出来ているという証拠。初勝利まで5節を要したが、ここからの浮上を予感させる試合となった。
 

2016/5/8 奈良県選手権社会人代表決定戦決勝 ディアブロッサ奈良対大和クラブ

D奈良3-1(1-0)大和ク(@奈良県フットボールセンター)
 
試合は序盤からD奈良がボールを持って動かす展開。10分過ぎには左サイドを崩してからのクロスをファーサイドで待っていた椿本が頭で折り返し、最後は細川堅が押し込み先制点を奪う。大和クは中盤から仕掛け奪って早めに前線へ送ることで活路を見出そうとするが、ここはD奈良守備陣がしっかりと守り点を与えない。D奈良も次の1点が中々奪えないまま前半は1-0で終了。
 
後半もD奈良が主導権を握るも点は動かない状況だったが、20分頃にCKから山本が押し込み待望の追加点を奪う。粘る大和クも中盤の真ん中でボールを奪うとそのまま縦一本で抜け出し1点を返すが、直後にD奈良は左サイドを抜けた新家のクロスに山本が中央で合わせて突き放し勝負あり。3-1でD奈良が勝ち奈良県選手権社会人代表の座を手にした。
 
スコアこそ3-1だが、内容としてはD奈良の危なげない勝利。大和クラブは中盤が良く動いて中盤からのカウンターを狙っていたが、足元で上回るD奈良が上手くそこをいなして外からの攻めを効果的に決めていた。気になったのは1点目のゴール。左サイドの突破に対して、右サイド上がり目の椿本がゴール前のファーサイドまで詰めて、クロスをヘッドで折り返しゴールに繋げている。攻めている側と逆のサイドの選手が最後ゴール前までしっかり入り込んできて数的優位を作り出せてるようになってきた点は、今後を考えると非常にプラスの材料となると考える。
 
大和クはここ数年着実に県内でも上位に入ってきていたが、それを裏付ける良いチームであった。運動量とポジショニングに長けた中盤の頑張りは力の差を上手く埋めることには成功していたと思われる。ただ、流石に個の技術で差があった部分が最終的には点差となって現れたといったところか。
 

2016/4/30 関西サッカーリーグ第4節 ディアブロッサ奈良対高砂ミネイロFC

D奈良0-3(0-1)高砂(@五條上野公園)
 
前半から試合はボールを保持するD奈良とカウンター狙いの高砂。両者の狙いははっきりしていたのだが、その狙いをゴールに結びつけたのは高砂。30分に左サイドから早めに中に入れたボールが岡本に脚で引っかけたような形で当たりコースが変わってそのままゴールへ。1-0と高砂がリードした状態で前半を終了。
 
後半に入っても攻めあぐねるD奈良に対し高砂のカウンターが牙を剥く。73分、オフサイドギリギリのタイミングで飛び出した右サイドからの折り返しを最後は辻村が決めて2-0。最後はGKのクリアミスを吉田が拾ってそのまま攻め上がりゴールを奪って3-0。焦りからなかなかフィニッシュが遠いD奈良とは対照的にあっさりと3点を奪った高砂がそのまま3-0で押し切り快勝した。
 
高砂は引いて守ってサイドからのカウンターが上手く機能した印象。1点目はラッキーなゴールという印象もあったが、狙ってカウンターを仕掛けているからこそあのようなゴールも生まれると言う事なのだろう。また、最後尾に構える日野の存在はやはり大きいと感じる。高砂守備陣が思い切って仕掛けていけるのも彼が後ろに控えているからこそ。昨年レギュラーであった松村も良いGKだが、流石に一段上のプレーを見せていた。
 
逆にD奈良は自分たちでボールを持ってからの最後の爪の部分に精度を欠いた結果、カウンターで失点しリズムを崩してしまった。何回も言われている先に点を取って流れを引き入れることが出来なかった訳だが、その流れを引き入れるために必要と考えるのは、攻撃の幅となるのだろうか。たまには早めのクロスを入れたり、中からの攻めを入れるなどしてあいて守備の目先を変える事も必要なのかもしれない。守備陣はオフサイドが微妙な判定で流されたりなど不運な部分もあったが、そこで切れないプレーがやはり大切なのだろう。