2016/11/25 全国地域サッカーCL決勝ラウンド FC今治対鈴鹿アンリミテッドFC

今治2-1(1-0)鈴鹿(@ゼットエーオリプリスタジアム

 

序盤から鈴鹿今治のボール回しのテンポについていけず守備陣がマークを外してしまう場面が目立つ。ペースを握り何度か決定的な場面を作った今治は19分、左ウイングの小野田からオーバーラップしてきた中野へのスルーパスが通り、中野の折り返しをファーで桑島が合わせ先制する。今治鈴鹿の攻撃の基点となる小澤に水谷を完全なマンマーク役として付け、鈴鹿の攻撃を封じることに成功。鈴鹿はFW北野が裏に抜けるプレーやセットプレーなどを仕掛けていくも、有効な打開策を見出すことができないまま前半を終える。

 

1-0今治リードで迎えた後半、鈴鹿は小澤をトップの位置に上げることでマークに付く水谷をDFラインに吸収させるとともに、早めに前線へハイボールを入れてバイタルのボールを拾い攻撃を繰り返していく狙いを見せる。そして57分、右サイドの高い位置で得たFKに吉川がヘッドで合わせて同点に追いつく。更に鈴鹿は長身の吉川と角口に代えて小西とスピードのある泉を投入。更に縦に早い攻めを見せようとする。しかし66分、今治は左サイドから中央に繋いで桑島がシュート、鈴鹿GK岡田の逆を突いたボールはゴールへ吸い込まれ勝ち越しの2点目を奪い取る。最後まで追いすがる鈴鹿の追撃を振り切り今治が2-1で勝利。勝ち点3を勝ち取った。

 

鈴鹿は前半今治のパス回しに守備陣が振り回され過ぎたこと、そして後半に入ってからの攻撃についての方針が悔やまれる。前者については人について守りに行ってしまう傾向が見られる守備のスタイル上仕方のない部分もあるのかもしれないし、後半今治のペースが落ちてからある程度対応できていただけに言うのは酷な部分もあるだろう。ただ、あそこで前半だけでも割り切って外を捨て中央に人数をかけるとか何らかの修正は必要だったのではなかろうか。後者については、もう少し小澤の正確なキックをいかしたセットプレーに活路を見出しても良かったのではと感じている。その意味でファウルの取れる泉の投入は正解だったと思うが、せめて角口だけでも残す選択肢はなかっただろうか。どこかベンチの意図とプレーにズレが見られた所が明日以降どう影響するか気掛かりでもある。

 

今治としては、守備において小澤に水谷をべったり貼り付けるというなりふり構わぬ手段を見せる事で、逆に自分達のやりたい攻撃を出来る余地を作る事が出来たのが大きかった。基本はパスで相手のDFを動かし、それによって出来たスペースに別の選手が飛び込みそこへパスを送る。これを繰り返して崩していくというのが狙いなのだろう。その狙いは特に前半思い通りに運び、ゴールにも結びついた事が結果として勝利に繋がることとなった。あとは、スペースに繰り返し走り込むプレーを要求され、非常に消耗が激しい戦術に見えるだけにあと2日をどう乗り切っていくか。ここが鍵を握ることになるだろう。